「子どもが言うことを聞いてくれない」

子どもが言うことを聞いてくれない。
子どもがわがままで困る。子どもが言った通りに動いてくれない。
親御さんや保育士からも悩みとして聞くことが多くあります。
職場においても、他人が思い通りには動かないというのが一番多い相談です。
しかし、そもそも、自分自身という人間も思い通りになることも難しいものです。
太りたくないと思っていなくても、ついつい、食べ過ぎてしまうこともありますし、学びたいと思っていても、好きなドラマを優先してしまいます。笑顔が一番と思っていても、疲れがでると顔や態度に出てしまいます。
何度言っても伝わらない。何度言っても動いてくれない。
という悩みは、自分自身をコントロールする上でも同じことが言えるように思います。
自分が動かないことは許せるのに、いざ他人のこととなると、感情的になったり、許せなくなってしまいます。
子どもたちや職員と話しているとき、自分だったら、どう言われたら素直に言うことを聞きたいと思うかな。と考えて伝えたり、何が何でも動いてもらわないと困るときは、厳しく伝えることもあります。
もちろん、10伝えたとしても、7しか伝わっていないこともありますし、子どもたちだったら3くらいしか伝わらないこともあるかもしれません。
しかし、それでも良いと思うのです。自分自身の理想と、行動が一致することなんてほとんどないことですから、7割伝わっていれば十分だと思うことも大切だと思います。
7割では困る、ということであれば、残り3割をどういう風に伝えようかと考えて、手法を変えて、何度も何度も伝えていく必要があります。
その手法を模索していく作業が「伝える」とか「教える」ということだと思っていますので、そこを「悩む」というのか、「考える」という感覚です。
10を伝えて、10分かってくれる人ばかりだと、そもそもこの世の中に子育てや教育などは不必要です。
伝わらないことがあればあるほど、そこに技術や、伝える側の成長が必要になるわけです。
その技術の向上こそが「人を育てる」ということであり、子育てする上で親としてとても成長できる部分だと思います。
その技術の向上を進めていく姿を我が子や園児たちもよく見てますから、子どもたちが大きくなって、将来の後輩たちや新入社員たちに対して、やさしく、丁寧に、わかりやすく、「伝える」、「教える」技術を間接的に学んでいるんだと思うと、「言うことを聞いてくれない」「伝わらない」場面になればなるほど俄然やる気になっていきます。

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