「こども発達教育スクール『おへそこどもスタジオ』」 の役割

年末の生活発表会で年長さんの題材であった「ランドセルは海を越えて」。日本では、小学校に入学するときに当たり前に準備するランドセル。6年間苦楽を共にしてきたランドセルを、長い間戦場となって疲弊した国・アフガニスタンに文具と共に贈る活動があります。

 日本からやってきたランドセルは、学校に行くこともままならないアフガニスタンの子どもたちにとって宝物です。カバンとして使われることはもちろん、丈夫なので机としても使われています。私たち日本で生活する者にとっては、学校に行くことはごく普通の日常生活。でも、世界には学校へ行くことが難しかったり、学校そのものを造ることすら困難な国もあります。そんな状況の中で、子どもたちは何を想い、学校へ通っているのか。「学校」とは?「学ぶ」とは?そして、「幸せ」とは?この作品を通して、子どもたちと共に問いを深めていきました。 私たちが「当たり前」と感じていることは、実は「有り難い」=「有ることが難しい」ことであることを再認識させてもらった気がしています。    

 当日の発表会では、子どもたちが主体的に楽しみながら取り組む様子が垣間見えたかと思います。慣れない環境の中であれだけ堂々とした発表には職員も驚かされました。温かく見守っていただいた保護者様のご協力あってこそと心より感謝しております。  

 さて、来年度開園を予定しているこども発達教育スクール「おへそこどもスタジオ」は、集団生活への適応や発達に不安がある子どもたち、障がいを持ち特別なサポートが必要な子どもたちが学ぶ場所です。例えどの国に生まれたとしても、障がいを持って生まれたとしても、全ての子どもが教育を受け、幸せになる権利を持っていると私は思っています。  

 認可外時代から、障がいがあるお子さんにとって幸せな環境とはなんだろう、適切な教育とはなんだろう、と考え続けてきました。集団の中に適応して学べる子もいれば、特別なサポート、ケアが必要な人たちもいる。それぞれに合った教育や支援をしていきたいと、発達支援の重要性に対する思いが強くなってきました。それは、非定型発達の子どもであれ、定型発達の子どもであれ、大人であっても同じことです。職員を対象とした研修であっても、こちらが10のことを伝えても、ある人には10伝わるけど、ある人には7しか伝わらないこともあります。でも、個別に話しをして、その人に分かりやすい言葉で、その人は関心がある事例をあげながら伝え方を変えれば、10伝わることがあります。  

 子どもたちを育てている以上、教育を仕事にしている以上、赤ちゃんでさえ、何度も何度もチャレンジして、歩くようになることを諦めないわけですから、一所懸命に学んでいる人に対して「分からないから」「伝わらないから」と言って諦めるわけにはいきません。困っている人、困っている子どもが幸せになるお手伝いができるのであれば微力でもお役に立ちたいと思うものです。そんな思いが伝わり、30年以上も障がい児教育に関わってきた先生をはじめ、発達に不安のある子どもたち、保護者様のお役に立ちたいと仲間が集まってくれました。子どもの発達で不安を持つことは誰しもあります。そんなときに、全力でサポートしてくれる仲間が増えます。たくさんの可能性が「おへそこどもスタジオ」には詰まっていると思います。  

 一方で、園が大きくなることは、少なからず保護者様にもご不安があることと思います。しかし、認可外のおへそ保育園が6名で始まり、右も左も分からなかったけれど、保護者、職員に支えられ、今のおへそがあるように、少しずつではありますが、必ず良い方向に向かっていくと信じています。どうか、ご支援、ご協力、そして、ご指導をお願いしたい次第です。    

 年度末まで残り3ヶ月を切りました。進級、卒園に向けてカウントダウンです。引き続き、職員が協力しながら子どもたち一人一人に合ったサポートをしてまいります。 

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