新年度も2か月が過ぎ、子どもたちも大人も新しい環境に少しずつ慣れ始めている頃でしょうか。一方、ワクワクしていた新1年生も、ちょっぴり疲れを見せる頃でもあります。
「頑張る」ことも大切ですが、人は時に気を「頑なに張る」だけではなく、気を「緩める」ことも大切です。空手にしても、いつも力を入れているから、強い力を発揮できるのではなく、「緩急(かんきゅう)」と言って、「力を入れる」こと、「力を抜く」こと、いずれも同じように大切にします。力を抜いて、緩んでいるからこそ、いざと言う時に、瞬発的にスピードや大きな力が出るのです。技術がなければ、「力を入れる」ことに注力してしまいがちですが、むしろ「力を抜く」技術を高めることが、結果、大きな力を生むことにつながっていきます。
日常に例えれば、いつも仕事や学校を頑張っているだけでは、緊張状態が続き、結果的に、心身の不調が出てしまいますが、うまく、休息やリラックス、遊びによって、気を緩める技術を持つことで、より大きなパフォーマンスを発揮することができるということです。
精神科医 樺沢紫苑さんは、人が幸せになるには、「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」3つの脳内物質、幸せホルモンの分泌が必要であり、そのバランスも重要であることを著書で述べられています。セロトニンは、心と身体の健康。オキシトシンは、愛やつながり。ドーパミンは、お金や成功、達成、それぞれの状態を得た際に、脳内から分泌され、人が幸せを感じるようになっているようです。
力を緩める、抜く、休息、リラックスというのは、セロトニンにあたり、3つの幸せホル モンの中で基盤となる建物でいう1階部分、基礎部分となります。その次に、2階部分の好きな仲間、家族とのつながりのオキシトシン、その上の3階部分に、お金や成功、達成、頑張る、チャレンジすることによって分泌されるドーパミンがあります。
どれも人が幸せを感じる上で、とても大切なホルモンですが、特にドーパミンは、依存性があり、もっと強い刺激を欲しがるようになります。そればかりを追い求めて、心身の健康であるセロトニン、人とのつながりであるオキシトシンを疎かにしてしまえば、建物のバランスが崩れてしまいます。
今回は、樺沢先生の著書より、リラックスさせたり、疲労回復させたり、心身のメンテナンスをする上で、効果的なことをご紹介したいと思います。
〔寝る前2時間のリラックス法〕
・ゲーム・スマホ・テレビ等の視覚系娯楽から離れる。読書は良い・心地の良い音楽を聴く・入浴、入浴剤・ストレッチ・アロマ・マッサージ・親子、夫婦のコミュニケーション・日記を書く
人は心身が疲れている時ほど、ゲームやスマホ、飲酒、タバコなど、難しいことを考えず、何の努力もなく、簡単にドーパミンがドバドバ分泌する「快楽」を得ようとするようです。大人も子どもも、目まぐるしい日常を送っている日本ですが、少しでも、休息やリラックス、遊びによって、気を緩める技術を高めることを、子どもたちと共に身に着けていきたいな~と思います。
また、コロナ禍で、職員同士の「肘タッチ挨拶」を控えておりましたが、5月末より再開をしております。もう少し経てば、元々実施していた「握手挨拶」も復活できるかな、と思っています。
コロナが収束に向かい、より、保護者様との交流や、イベント等が充実し、つながり・愛を大切にした際に分泌されるオキシトシンがドバドバ出るような、おへそグループをさらに創っていきたいと思います。
おへそグループ統括園長 吉村直記
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拙著「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」すばる舎
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セロトニンを 意識しながら
リラックス 休息も 大切に しながら 自分自身の こころを 整えながら 子ども達と かかわって いければと 感じています。
ありがとうございます。