2~3歳位になった子どもは、自己主張が強くなり、自分で色々なことをやってみたいという気持ちが強くなっていきます。
食べたいもの、着たい服をハッキリ言うようになったり、大人が手出しをしようとすると「じぶんで」という機会が増え、親からすると「あぶないな」と思うことや「わがままだな」と感じる機会も同時に増えていきます。
そんな主張を「わがまま」という一つの捉え方だけで接してしまうと、せっかくの子どもの意欲や主張の機会を奪ってしまうことになりかねません。
あくまで「自己主張」というのは、自分自身がしたいこと、言いたいことを伝えることです。「わがまま」はそれを超えて、相手が否定しているにも関わらず、嫌がっているにも関わらず、それを推し進めていくことが「わがまま」でしょう。
子どもの「自己主張」は十分にさせ、話させ、それにしっかりと親が耳を傾けた上で、それが難しいこと、親として許せないこと、社会で許されないことを対話的に伝えていくプロセスがとても重要です。
子どもはそれが何故できないのか、それが「わがまま」であるのかを少しずつ認知し、その子の価値観として確立されていきます。
対話を進めていき、子どもの主張を聞くことで、どんな思いでその主張をしているのか、行動しようとしているのかの背景が分かることで、「それなら、やってみてもいいよ」という親の考えが変わっていく場合もあるかもしれません。
繰り返しになりますが、「自己主張」はあくまで、その人の考えを主張する、伝えるということです。「自己主張」の段階では「わがまま」ではないと捉えてあげることで、子ども自身のコミュニケーション力や、提案する力を育てる機会に変わっていきます。
「自己主張」さえできない家庭で育てば、子どもの本音や真の欲求が抑圧され、隠れてその欲求を達成しようとしたり、否定されることを恐がり、相手の応えたくない要求まで受け入れてしまったり、表面上は「YES」と答えても裏では不平不満を言うような心理を育ててしまうことにつながるかもしれません。
主張をし、相手と議論すれば結果に関わらず納得したかもしれないものを、その議論さえ恐がらせることは良いことではありません。
何も言わないからお人好し、何も主張しないから相手は不満になっていない。
コミュニケーションはそんなに簡単なものではありません。
家庭の中でしっかりと議論する機会をつくることで、時にはぶつかりながら、少しずつ他者理解が進み、社会で通用するコミュニケーション力が育っていきます。
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