先日、他園を視察する機会がありました。
2、3歳児の子どもたちがしゃぼん玉をしています。
「ほら、液を飲んじゃダメよ!」「あ~あ、こぼしちゃダメよ!」と、必死に言葉をかけている保育者がいます。
一方、「それはね、こうやって吹くんだよ」「うん、いっぱいあるからこぼしても大丈夫だよ」と、子どもの心を理解して、共感する言葉をかけている保育者もいます。
子どもたちは環境によって育っていくと考えていますが、「声掛け」はとても重要な環境のひとつだと思います。
子どもが失敗をどう捉えるかにつながるかもしれませんし、将来の心のレジリエンスにもつながっていくかもしれません。
子どもたちは、しゃぼん玉が空へと飛んでいくのを、キラキラした目で追いかけています。
こぼれたしゃぼん玉の液の片付けに必死になっている保育者もいれば、
「きれいだね~」「大きくふくらんだね~」「高く飛んでいるね~」と、子どもが言葉にならない、子どもの心を言葉にして、嬉しそうな子どもたちを見て、微笑みかけている保育者もいます。
先日、年長さんと野外に出かけたときに、
向こう側から小学生の集団が歩いていました。引率の先生と一緒です。
年長さんの一人の子が、すれ違った先生を見て、「園長先生、あの人『いいせんせい』だよ」と言い出しました。
「なんで、そうおもうの?」と質問すると、
「だってね、あのせんせい、わらっていたよ」と、教えてくれました。
子どもたちは、温かく、微笑みかけて、心の言葉を代弁してくれるような大人を好きになりますし、心の拠り所にします。
先程のしゃぼん玉の失敗を指摘された子どもたちは、その後、しゃぼん玉を辞めちゃって、保育室内に入って行きました。
子どもにどんな表情をして、どんな言葉をかけてあげるのか、
本気で子どもの心を見ようとしているか、今一度、自園でも見直していきたいと思います。