先日のスポーツフェスタでは保護者様にはたくさんのご協力をいただき心より御礼申し上げます。子どもたちが主体的に楽しもうとしている姿、保護者の皆様がおへそっ子みんなを温かく応援してくださる姿、そして、職員も一緒になって楽しむ姿を他園から転職して間もない先生が大変感動しておりました。ついつい、子どもたちの運動会のようで、お父さん、お母さんに「見せるための行事」になってしまいかねませんが、子どもたちの動きが不揃いでも、競争で負けたとしても、大きな拍手を送ってくれたその姿を見て「子どもたちのための行事」「子どもたちの心に残る行事」になってくれたと信じております。
さて、先月のお便りに「スモールステップ」について記述しました。今月は園での具体的な取り組みとしていくつか紹介させていただきたいと思います。スポーツフェスタに向けては、職員が昨年度の写真等をクラスに張ったり、場所見知りしやすい発達段階の子どもたちとは現地に事前に足を運んだりもしました。また、スポフェスの最中はお父さん、お母さんと離れる時間があることも丁寧に説明し、当日を迎えました。そういう職員の努力のおかげで、子どもたちは例年になく落ち着いて参加できたように思っています。 ハロウィンでも同じように昨年度の様子を丁寧に伝えることで、2歳児でさえ「ねえ、○○ちゃんどんな衣装着る?」という会話も見られています。
小さいクラスでは将来の干潟体験に向けて、年長さんたちにお願いして干潟の泥を持ち帰り、園内で手を泥の中に入れてみたり、泥だんごを作ってみたりと、ミニ干潟体験を行う取り組みも始まってきました。スモールステップの方針に職員それぞれが様々な工夫を加えて、保育に落とし込んでくれています。「おへその一番の魅力は職員」だと私は自負していますが、子どもたちのために全力で創意工夫し、努力し続ける大人に囲まれている子どもたちは、小さなステップを楽しみながら、将来、気付いたら大きなステップを乗り越えるチカラを習得していることでしょう。
日々の生活の中でも、子どもに何かを学んで欲しい、学習して欲しい、達成して欲しいと願う前に、そこに向かうプロセスを大切にし、手を取りながら導き、達成感や成功体験を積み重ねることで、自ら主体的に行動することにつながっていくことと思います。何か一つでも得意なことやできることがあると「自分はできるんだ」と自分を信じることにつながり、自分を肯定することができるようになります。世界的に見ても日本の子どもたちは「自尊心に欠ける」と言われています。スモールステップは、将来の大きな自信につながるためのプロセスです。