「人はなぜ怒(おこ)るのか」

先日、福岡の保育園で不適切保育(虐待など)があったとのニュースがありました。

とても衝撃的な音声なども流れていて、子どもや親御さんの気持ちを思うと言葉もありません。

虐待は、絶対に許されないことです。

子どもを育むプロとして絶対にあってはいけないことです。

しかし、保育者も一人の人間なので「一切、感情的ならない」と安易に考えるのは危険なことだとも思っています。

なぜ、人は怒ってしまうのか?
なぜ、感情的になってしまうのか?

しっかりとその原理を理解し、子どもたちと接していかなければ、指示命令的な「ことばがけ」になったり、もちろん虐待はなくとも、感情をぶつけてしまったり、大きな声で伝えることが多くなってしまいかねません。

ある心理学では、

「感情は相手を支配するための道具」、中でも怒りは「相手を黙らせる目的のために使っている」と言われています。

大人の感情をぶつけて、思い通りにならないことを、「相手を脅す」「相手を恐怖を与える」というような道具によって、「子どもを動かす目的」、人によっては、「自分の不満を晴らす目的」などに向かおうとしているわけです。

子育てや、保育の最大の目的は、愛を伝え、幸せに自立に向かわせることでしょう。

そうであれば、「怒りの感情」「相手を脅す」などの道具によって子どもが動いても、自立に向かっていないことが分かります。

お母さんが恐いから、先生が恐いから、という感情、その目的のために行動するようになります。本人の意思ではありませんので、その恐怖がなければ動かなくなりますし、エネルギーもありません。

ですから、

究極「怒(おこ)る」ことは必要ない。

ということでしょう。

ではどうすれば良いのか・・・

子どもを変えよう、こちらの恐怖で支配しようとせず
「子どもが自分自身で選択、決心することをサポートする」

その際に「恐怖」を与えてしまうと、子どもたちの中で「恐怖を回避する目的」にすり替わって行動してしまいますので、あくまで、優しく、語りかけるように伝える必要があると思います。

愛を持って、優しく、「お母さん(先生)は、こう思ってるけど、どうかな?」「ご飯は今食べないと片付けないといけないから下げますが、テレビを見続けるか、今ご飯を食べるかどうしますか?」と提案する。

あくまで本人が自分自身で考え、選択し、行動することによって、自立に向かってくれるようになってくれると信じています。

「怒りたい気持ち」「感情的」になってしまったら、


「私は何のためにこと怒りを使っているのだろう?」
「私は誰かを動かそうと怒りを道具に使っている」

と自分自身に問いかけてみることが重要かもしれません。

子どもたち(特に幼児期)は、「お母さん(先生)、今の伝え方、嫌だったよ」とはなかなか言ってくれません。だからこそ、慎重に丁寧に言葉を紡いで、子どもたちに伝えてあげなければいけません。

長くなりましたが、おへそグループでも、子どもたちへの「ことばがけ」に関して、再度見直す機会になりました。各クラスの見えるところに以下の「ことばがけ」のルール掲示しています。職員も努力してまいります。

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