「『その先の楽しい未来とポジティブ』を伝える」

私たちは赤ちゃんの頃に、「ハイハイしなさい」と言われずともハイハイするようになったりました。「立ちなさい」と言われずともつかまり立ちをして、必死に立ち、いずれ歩き出すことができました。私たち人間は、誰しも「大きな意欲」と「大きな自信」を持って人は生まれてきます。赤ちゃんのときは、どんな行動をしても拍手して周りの大人たちは褒めてくれました。

しかし、大きくなるにつれて、叱られることがどんどん増えていきます。

「ちゃんと先生の話しを聞かないと、怒るよ!」「靴を履かないと園庭に出れないよ!」「早くしないと、遅刻するよ!」「勉強しないと、将来大変よ!」

適切ではない叱り方で叱られ続けられることで、赤ちゃんの頃に持っていた誰もが持っていた「大きな意欲」と「大きな自信」を少しずつ奪ってしまう可能性があります。

先に例を出した叱り方は、行動の先の不安やネガティブを回避するための叱り方です。そのような叱り方を続けると子どもたちは勝手に、「行動の先には不安やネガティブが存在する」と潜在意識に刷り込んでいきます。

その積み重ねによって、「また、この行動の先にはネガティブなことが起こるのかな」「勝手にすると怒られちゃうかな」と潜在的に考えてしまうようになります。やってみなければわからないことも、「怒られるのかな」「注意されるのかな」「楽しんじゃいけないのかな」と、自分の中で勝手な制約やルールを作っていくことになっていきます。

大人はその行動の先で子どもが「困らないように」と教えている、叱っているつもりですが、どんどん行動することに尻込みするようになっていきます。

もちろん子どもたちが困らない人生を送ることはとても大切なことです。しかし、行動に対して躊躇するような性格になって欲しいとは誰しも願わないはずです。私たち大人は、子どもの目の前の行動を改善してあげなければいけないという思いと同時に、将来、この言葉をかけたときにどのような思考を作り上げるのだろう、どのような価値観を伝えることになるのだろうと、少し考える必要がありそうです。

子どもたちの意欲を伸ばしつつも行動を改善するためには、逆に「ポジティブに伝える」ことです。「その行動の先には楽しいことやネガティブが存在する」ことを潜在意識に刷り込むことができればよいのです。

「ちゃんと先生の話しを聞かないと、怒るよ!」→「楽しい話をするから、聞いていてね!」

「靴を履かないと園庭に出れないよ!」→「靴を履いたら園庭で楽しく遊べるよ!」

「早くしないと、遅刻するよ!」→「もう少しスピードアップすると、余裕を持って学校に行けそうよ!」

「勉強しないと、将来大変よ!」→「勉強することで、たくさんの知識や選択肢が広がるよ!」

このように、その先に「どんな楽しい未来と、ポジティブなことが起きるのか」を教えてあげてください。行動の先に何か楽しいこと、ポジティブなことがあるという潜在的な意識があれば、「チャレンジしてみたらうまくいくかもしれない」「うまくいくか分からないけどやってみようかな」と「大きな意欲」と「大きな自信」を奪わずに行動を改善することができるかもしれません。

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