先日、ユニセフが世界38ヵ国の5歳から19歳までの幸福度を調査したところ、「精神的幸福度」が38ヵ国中37位であり最低レベルであったことが明るみになりました。ちなみに「身体的健康度」という項目について日本は1位です。
健康を感じているのであれば、多くの幸せを感じても良さそうです。
ですが、この調査によれば、日本の子どもたちは健康があっても精神的幸福を感じていないのです。
何故でしょうか。
世の中の不思議で分からないことがあれば、子どもたちに聞くとだいたい答えが返ってきます。
早速、おへその小学五年生の男の子がこう答えてくれました。「健康が幸せってことを感じていないんじゃないかな。
健康を当たり前って思っているよね。」とても的を得ています。
日本の子どもたちにとって「健康」は「当たり前」として捉えていることが多いのかもしれません。
「幸せ」というものは、無形なものであり、視覚的に探したとしても見つかるものでありません。
ですから、もし、これからの子どもたちの精神的幸福度を少しでもあげていくとすれば、目の前の出来事や、状況に「幸せ」であるという意味付けを大人が怠らないことだと私は思います。
私の友人は、夜家族で食事をする時に「幸せだね~」という言葉をお母さんが欠かさなかったそうです。その時は、何気ない日常としていましたが、大人になって家族ができて、食事をする際に「幸せだな~」と感じ、同じようにわが子に「幸せだね~」と言ってしまう自分に気づいたそうです。当たり前の反対は、「有難い。有ることが難しい」「ありがとう」「感謝」ですね。
幸福は、どこかにあるものではなく、目の前の出来事や状況に意味付けをし、感じるものです。
ですからこのユニセフの調査は、幸せがあるかないかという調査ではなく、幸せを感じるか感じないかの調査なわけです。
日頃の子育て、お仕事、様々なご苦労があることでしょう。苦しいことも、悲しいことも。子どもたちも保育園、学校、習い事、子ども同士の人間関係に精神的な疲れも、時にはあるでしょう。
ですが、私たち大人が、様々な出来事や状況をGIFT(ギフト)として感謝と笑顔で受け取り、それを子どもたちと共有することによって、今ある幸せを感じてもらえるような心が育っていってくれるかもしれません。
おへそでも、保育の中での語りかけを通し、子どもたちの幸せに「気づく力」「感じる力」を育んでいきたいと思います。
おへそグループ統括園長 吉村直記