「みずから育つ」

 あっという間に月日は過ぎ、 年長さん、 そして、 学童6年生の卒園・卒業まで残すところ一ヵ月を切りました。 寂しい気持ちもありながら、 10年という歴史をおへそで過ごした学童生の写真、 年長さんの以前の生活発表会での DVD を観たりしながら、 心身共にとても大きく成長したことを嬉しく、 そして幸せに感じています。


 さて、 おへそグループは 「自ら育つ」 というテーマをもって日々の保育に取り組んでいます。改めてその 「自ら育つ」 について考えてみたいと思います。 先日、 おへそで取り組む 「哲学対話」 の映像を撮影した際、 幼児~小学生までの混合グループで対話を行いました。 学童の6年生の男の子が、 ファシリテーターを務め、 小さい子に配慮しながら、 みんなの意見に優しくしっかりと耳を傾けていた姿は、 驚くほど成長を感じた機会でした。
 そして、 その姿は、 いつもファシリテートを務めてくれている職員の姿そのものでした。 長い間、その職員の姿を見て、感じ、学びとってくれていたのだと思います。 そのように 「育てよう」としていないのに、 子どもたちはその姿を感じ取り 「自ら育った」 のだと感じるエピソードでもありました。


 おへそグループで大切にしていることは、子どもの 「気づき」、「あ、そうだ!」 と感じ取って、 考えて行動する流れです。 自ら気づき、 行動する機会を創ってあげることです。 子どもがやらないとつい 「あれをやれ、 これをやれ」 と、 指示を出してしまいがちですが、 その度に周りがいちいち指示を出していると、 子どもは自分で考えることをしなくなってしまいます。 自主性、主体性がなくなっていき、 いずれ自分で考えず、 指示を出されないと行動できなかったり、 社会に出ても 「やってくれない」 「教えくれない」 と、受け身になってしまいいわゆる ‘くれない族’ になってしまいかねません。


 子どもは大人に比べて知識も経験も足りていないので、 知らないこと、 出来ないこともたくさんあります。 ですから、 子ども自身に考えさせ、 子どもに任せていると、 おそらく上手くいかないこともたくさんあると思います。 見ててイライラしたりすることもあると思います。
 しかし、 子どもが考え問題と向き合う前に答えを教えてしまうと、 子ども自ら学び取ることが出来なくなってしまいます。 「どうすればいいかな?」 「〇〇はどう思う?」 と考えるきっかけを与えることも良いですし、 例えば、 何かの場面で 「ありがとうございます」 を促すときに、 「ありが?」 とヒントを出し、 ほんの少しでも本人の 「気づき」 を大切にしていただくだけでも良いかと思います。


 毎年この時期は、 お別れに向けての保護者様との交流等が開催されておりますが、 今年はそういうわけもいかず、 少し寂しい気分ではありますが、 その分、 子どもたちとの時間を大切に過ごしてまいりたいと思います。


おへそグループ統括園長 吉村直記


●お知らせ●

この度、心理系唯一の国家資格 「公認心理師」 を取得したことをご報告いたします。
今後、 園内でも心理 ・ 発達検査が実施できるようになることで、 子どもたちの育ちをより丁寧にサポートしてまいります。 さらに、 子どもたち、 保護者様、 そして、 職員の心理に関する点でも相談に応じてまいります。 これからも、 みなさまが笑顔になるよう、 まい進してまいります。 いつもありがとうございます。

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