あっという間に 2020 年も残り一ヵ月を切りました。コロナの影響もあり行事も少なく、
今年はなんだか例年以上に時間が早く流れていくような感じがします。心理学者のピエー
ル・ジャネは、「時間の経過の早さの感じ方は、年齢に比例して加速する」という発見をし
たそうです。
例えば、50 歳の人間にとって一年の長さは人生の 50 分の 1 ほどですが、5 歳の人間に
とっては 5 分の 1 に相当します。つまり、50 歳の人にとっての 10 年間は、5 歳の人にと
っての一年間にあたり、5 歳の人にとっての一日は、50 歳の人にとっての 10 日に感じる
そうです。5 倍も時間が経つのが早く感じるんですね。子どもたち以上に1日、1日を大切
に生きないとと自分に言い聞かせながら過ごしております。
さて、子どもも大人も、ひとりひとりまったく違う顔をしていることと同じように、性格、
家庭環境、経験、能力、それぞれまったく違うものを持って歩んでいます。よく笑う人もい
れば、さみしがりな人もいます。ゆっくり成長する人も、早い人もいます。
「違い」というのは時に争いにも繋がりますが、「違い」というものを受け入れ、活かし
あえれば、本当に素晴らしい社会になると思っています。それぞれの人が居て、この社会が
成り立っています。男の人と、女の人もそうだし、子どもと大人もそうです。
それぞれ、パズルのピースのように、色や形が違うけれど、どのピースも無いと、絵が完
成しないようなものと同じだと思います。目の前の子どもや、友人、家族、職場の人たち、
それぞれの個性や得意を生かし、補えあえたらどんなに素晴らしいでしょうか。
かの有名な吉田松陰 先生は、生徒、弟子たちが入会する度に「私に何を教えていただけ
ますか?」と問うていたそうです。あんなにすごい先生でも、「私が教えて授けよう」とい
う認識ではなく、「学び合う」「相手から学ぶ」という視点があったのでしょう。
相手を心から尊敬する。その相手が子どもでも、誰でも、同じような気持ちで思えている
だろうか。そういう思いで、人に会っているか。そんな思いで、人をリスペクトしているか。
そんなことを自問自答しています。
「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず(すぐれた人物は協調はするが、主
体性を失わず、むやみに同調したりしない。 つまらない人物はたやすく同調するが、心か
ら親しくなることはないということ。)」という論語にもあるように、みんなが同じだけが善ではありません。
違いがある中で、うまく調和することによって、さらに良いものを生み出すこともできま
す。違う音が調和されることで和音となることも同じことですね。
そんな唯一無二の存在である目の前の人を、リスペクトし、ひとりひとりの子どもたちの
良い部分を見つめ、その可能性を最大限に広げるサポートが引き続きできれば幸いです。
【親子ⅾe哲学 チャレンジ!】
哲学テーマ「あなたとわたしの違いってなに?」
違いを見つけて、それを認め合う事を習慣にできるといいですね。まずは、身近な家族
から始めてみませんか?