人の意欲を奪ってはいけない
それは、相手が大人であっても、子どもであっても同じだ。
意欲を奪う権利はない。
人を指摘、指導する際に気をつけなければならないのは、意欲まで削いではいけない。
行動を改善するために、大きな声を出したり、脅したり、感情的に怒ったりしてはいけない。嫌味を言ったり、ため息をついてはいけない。
も〜、ほら〜、言ったでしょ!違うでしょ!
というような、相手を指導するにあたって無意味で不必要な言葉も慎むべきだ。
思い通りにならずに、あなたがイライラしていることは、相手には全く関係のないことだから。
もし、その言葉で、相手の行動が、その場で改善されたとしても、それは恐怖に怯えているだけだ。
相手の意欲がそこに乗っかっていて、自ら成長したいという心が入っていなければ、単なる大人の操作に過ぎない。
日本の子どもたちが、世界的に見ても、「意欲」や「自己肯定感」が低いということを忘れてはならない。
もし、あなたが、目の前の子どもの心を無視して、操作する言葉を発しているのであれば、あなたが、日本の子どもたちの意欲、自己肯定感の低さに貢献しているかもしれない。
世の中の保育士、教師、何かを教える立場にある人は、そのような手段を使わずに、細心の注意をもって望みたい。
と言っても、
「今から相手にかける言葉が、こちらの都合で発せられる言葉ではないか」
「今から相手にかける言葉が、意欲まで奪うような言葉ではないか」
この2点を気をつけていくだけだ。
難しい話をしているのではなく、私たちが相手に言葉をかける前に「ひと呼吸」置くだけで、多くの場合は改善されると思う。
注意、指導をする人も相手に「行動」を改善して欲しいだけだ。
ただ、「操作」するという手段が有効だと学んでしまっている。その手段でしか、相手の行動を変えれないと思い込んでしまっている。
その思い込みが相手の「意欲」まで奪うことにつながってしまっている。
相手を良くしたい。と思っているにも関わらず、相手の「意欲」まで奪ってしまい、結局、良いパフォーマンスが上がらない。
という事態に至らないように、
相手の意欲がなくなり取り返しのつかないような事態になる前に、
相手の行動の改善の前に、こちらの行動の改善に注力していきたい。