「行動承認と、存在承認」

Stayhomeのゴールデンウィークが過ぎ、少しずつ気温も高まり、日差しがまぶしい季節となってきました。汗をかきながら、園庭を走る子どもたちの笑顔も太陽に負けないくらい輝いています。

 さて、今月は「行動承認と、存在承認」をテーマにお便りをつづりたいと思います。行動承認は、文字通り行動に対する承認です。100点取ったら褒める。というのが行動承認。相手が行動したことに対して、褒めることですね。100点取ろうが0点取ろうがあなたはあなた。と承認することが存在承認。

 子どもたちは親や周りの大人の行動承認によって「価値観」「思い込み」をつくっていると言われています。

 失敗してはならない、人に認められなければならない、みっともないことを人に見せてはならない・・・様々な「価値観」「思い込み」がつくられ、子どもたちの真っ白いキャンパスに少しずつ人生の地図が描かれていきます。

 その「価値観」「思い込み」が子どもを幸せにすることもあれば、劣等感を強く持たせることや、アイデアの幅を狭めたり、チャレンジすることの弊害につながることもあると言われています。

 「こうでなければいけない」「~しなければいけない」「~であるべきだ」という固定観念や先入観を排除することで、物事の新しい見方を発見することもあります。

 小学校の給食を食べきる目安は20分程度とされているようす。しかし、イタリアでは職場から家に帰って、2時間かけて昼食をとることもあるそうですし、先日会ったアフリアのベナン出身の方は3時間かけることもあるとおっしゃっていました。

給食ひとつとっても様々な文化や価値観が存在しています。

 ある家庭を対象に調査を行ったところ、朝起きてから学校に行くまでの間に、母親らは70~80個くらいの思い込みを与えているそうです。「早く起きなさい」「早く食べなさい」「残さず食べなさい」「お兄ちゃんを見習いなさい」・・・。

 昔の社会は、近所のおじさんやおばさん、親戚のおじちゃんおばちゃん、おじいちゃんおばあちゃんなど、無条件で愛してくれる存在が多くいたといわれています。何かの行動がなければ褒められることのない行動承認ではなく、存在承認の機会が多かったということです。

 「完璧にやらなければ」と思えば思うほど行動欲求は低下していきます。「完璧などできない」と思うことの方がフットワークを軽くしていきます。

 The Bestを目指すより、My Bestを目指し、子どもたちの存在を認め、大人の私たちも「価値観」「思い込み」を再度、自問し、ニュートラルにあることを大切にしていきたいものです。

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