「子どものコントロール、大人のコントロール」

先日、開催いたしました保育参観には多くの保護者様にご参加いただき、ありがとうございました。短い時間での開催となりましたが、実施できたことを嬉しく思います。

 来月は、年長、学童の夏合宿となります。本来であれば、年中さんの希望者も含めて、北山少年自然の家で開催を計画しておりましたが、縮小した上で園内での開催と変更させていただきました。今年いっぱいは、引き続き感染症対策でのイベント縮小でご迷惑をおかけいたしますが、どうぞご理解いただきますようお願い申し上げます。

 さて、子どもは2歳をピークに幼児期に「自律性」が育まれると言われています。自律性とは、感情のコントロールとも言えます。それまでほぼ一体に近かった養育者との関係から、子どもが次第に心理的に自立していく事が課題となります。この時期は子どもが身の回りのことを自分で出来るようにもなってきます。とくに排泄習慣の自立に象徴されるように、子どもは養育者から「しつけ」という形でルールや秩序を守ることを求められるようになります。

 「子どもが感情をコントロールする」と言われてもなかなかピンと来られないと思いますので、事例をご紹介します。例えば、スーパーに買い物に行ったときに、「お菓子が欲しい!」と泣いてぐずる場合に、親が毅然とした態度であれば、その後少しずつ、ぐずりはなくなっていくことが予想されます。その過程が、子ども自身が適度な我慢を行い、感情をコントロールしている状況でしょう。しかし、逆に、くずった際に、「もう、お菓子買ってあげるから、泣かんで!」となれば、「こういう風にママに要求を出せば、うまくいくな」と子どもは誤学習(誤った学習)をしてしまいます。それは、あくまで親のコントロールです。

他にも大声を出したり、怒鳴れば、子どもは恐怖を抱き、整っていきます。しかし、それは、あくまで大人がコントロールしているに過ぎません。子どもがコントロールをする力を身に付けていかなければ、意味がありません。大人がコントロールし、綺麗に整えているように見せても、真の育ちではありません。

 大人が子どもを整えるのではなく、私たちは、子どもが整っていくサポートをしていく必要があります。サポートするのは、子どもが自分自身をコントロールする力のことであって、大人が子どもをコントロールすることではありません。

 言葉にすれば簡単ですが、実践は簡単ではありませんよね。日常の中で、ひとつ意識するとすれば、「大きな声、怒鳴る等のスキルを発動しない」ということです。アンガーマネジメント的には、カッとなってもたった「6秒」待つだけで怒りは静まっていくようです。

恐怖で人を動かせば、将来、目の前のお子さんは誰かを恐怖で動かすようになるかもしれません。今日からイライラしたら6秒を意識してみましょう。

 日々、お仕事、家事、育児と大変ですが、幼児期~学童期は、人が発達する上で、最も重要なゴールデンエイジですから、丁寧に関わってあげることができれば素晴らしいと思います。

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