子どものモチベーションをつくる環境とは

新しい年を迎え、平成 31 年がスタートしました。平成も最後の年ですね。年末年始の休

みが明け、久しぶりの登園では、寒さに負けず元気に登園してきてくれた子どもたちの姿を

とても嬉しく思いました。これから生活発表会に向けて全力で楽しみながら今月を過ごし

ていきたいと思います。

 さて、年長さんは「ランドセルを買ったよ!」と報告してくれたり、学童の子どもたちと

触れ合う機会もつくり、就学に向けて期待に胸を膨らませ始めています。逆に学童生では高

学年になるにつれて、学校や宿題への意欲は下がり気味になってしまうこともあるようで

す。

 意欲さえあれば、学習だって、仕事だって自ら進んでやるようになります。

 では、子どもたちのモチベーションはどのようにして生み出され、維持されていくのでしょうか。

 ロチェスター大学の二人の心理学者デシとライアンは、モチベーションについて、人が行

動する動機として「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2通りがあるとしました。デ

シとライアンは実験の中で、お絵かきの好きな幼稚園児のグループに、その日は絵を描いた

らおかえりのまえにご褒美「青いリボンと賞状」をあげると告げました。二週間後、園児た

ちは明らかに絵を描くことへの興味を失ってしまいました。自由時間にお絵かきをするこ

ともご褒美をあげた日の前より減っていたそうです。

 お絵かきが大好きな子どもたちにとって「お絵かき」そのものが報酬でした。それ自体が

満足できるものであり、内面から出るモチベーションでした。つまり「内発的動機」で行動

しています。

 デシとライアンは「人間は生まれながらの学習者で、子どもたちは生まれたときから創造力と好奇心を持っている」と言っています。人は好きなこと、興味があること、上手にできることなど、「内発的動機」が存在すれば、指示や命令なくても、意欲を持って取り組むことができます。

 一方、親や先生たちが苦労するのは、内発的動機がない場合、つまり内なる満足ではない、何か別の結果のために行動させなければいけないときです。その時に重要になるのが「外発的動機づけ」。デシとライアンによれば「外発的動機づけ」を自分の内側に取り込むようにうまく仕向けられた子どもはモチベーションを少しずつコントロールしていけるといいます。

最後に「子どもにモチベーションを持たせるための重要な3つのこと」を書きます。

1) 子どもが自分で選んで、自らやっているのだと実感をもたせること(自律性)

2) やり遂げることはできるが簡単すぎるわけではないタスクを与える、現在の能力をほ

んの少し超える課題を与える(有能感)

3) 大人に関心と好意を持たれ、価値を認められ、尊重されていると感じさせる(関係性)

 子どもたちにこの3つの感覚を与えられれば、内発的動機づけを育てるだけでなく、あまり面白くない作業に対しても進んでやるようになるようです。

 2019 年も意欲を持って全力で楽しめるような園づくりを職員一同目指してまいります。至らないとこともたくさんあると思いますが、ご協力をいただきながら、本年も子どもたち、

保護者様、職員みんなで「OHESOLIFE」を楽しんでいきましょう。

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