怒るという感情は、相手を支配するための道具に使われているとある心理学者は言います。
感情的になる人というのは、脅しで人が動く、と思っている人です。
感情をぶつけて、自分の思いとおりにならないことを「相手を脅す」、「相手に恐怖を与える」という方法で、人を動かそうと心理が働いています。
ポーランドのワルシャワ大学の科学者であるMarcin Zajenkowski氏らの研究チームは、相手に怒る人、相手に執拗にイライラする人は、相手よりも自分が勝っていると、認識していると言っています。
相手よりも勝っていると、認識しているからこそ、相手にイライラし、怒る感情が芽生えるわけです。
そこで、自問自答してみます。
「私を怒って動かそうとする人と、私を信じて、温かい言葉をかけてくれる人と、どちらの意見に従いますか?」
そうすると、皆、口を揃えて後者だと答えます。
自分は怒られるのは嫌だけど、人には怒るという表現をしてしまいます。
人は面白い生き物です。
不思議ですが、そういう時は、上司から叱られて嫌な気持ちになるとか、「こうされたら嫌でしょ」みたいな課題が降りておきます。
自分もされたら嫌なことを相手にしているよ。という気づきを与えてくれるような機会が起きるようになっているようです。
怒る人はそうやって自分の感情をコントロールするように学び、成長していきます。
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次は、怒られる人の学びについて。
怒られることが嫌だと直感的に捉える人もいます。
しかし、怒られることは、実は自分の不足を教えてもらう素晴らしい機会です。
大人になればなるほど、人から指摘されることは少なくなっていきます。
その機会が少ないと、人によっては地位と名誉だけで、裸の王様になってしまう人もいます。
怒ること、感情的になることは、とてもエネルギーがいることです。
さらに、怒るというのは、「期待とのギャップ」によるものと言われています。
期待しているからこそ、「こうして欲しい」という期待があるからこそ、叱ってもらえるのです。
期待がなくなってくると、人は怒ることすら辞めてしまいます。
怒ることは、いわば愛情なわけです。
ただし、相手のことを思うことなく、理不尽に、どなり怒り散らかしたり、キレたりする人もいます。
その心理は、
自分を強く見せたい
優越感に慕りたい
相手よりも勝っていることを伝えたい
という心理ですから、
そういう人の感情を全うに受けていたら身が持ちませんから、「可愛そうな人だな」と悟ってあげることも大切です。(笑)
理不尽な人は一見怖そうなイメージがありますが、弱さを持っている人です。
本当に強い人は、人に優しくできますからね。
自分を成長させることなく、人の不足を指摘する人が、周りの人に信頼されることはありません。
結局は、相手を不幸にさせると、自分にも同じような現象が起こるように世の中はできているようです。
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怒る人と、怒られる人、それぞれの学びがあります。それぞれ、自分自身の成長の機会にすると、両方の出来事から学ぶことができるかと思います。
自分自身、目の前の子ども、後輩、部下、同僚、それぞれの幸せを願いながら一歩一歩、歩んでいきたいと思います。