「知る」を「行動」に移す力

 コロナの第2波のピークは過ぎたと言われているものの、全国的には重症者は今も増加をしているようです。夏祭りをはじめ、合宿中止、さらに、運動会も安全を最優先し、年長児のみの開催へと縮小を決定いたしました。保護者の皆様には、ご理解、ご協力をいただき心より感謝申し上げます。

 さて、夏休み明けの小学生に「学校が今日から始まるね」と言うと、「つまんない学校はじまっちゃう」と言います。「なんで?」と聞くと、「調べれば分かることと、使わないことばっかり習うから」と言います。なんと、的を得た回答でしょうか。

 今の子どもたちは、「分からないことはネットで調べれば分かる」という認識を強く持っています。
私たち大人も同じでしょう。新しいカフェに行くにしろ、ブランドの新商品を調べるにしろ、分からない漢字にしろ、ネットで調べます。インターネットを使わない日はありません。「知る」ということへ強い欲求を持たずとも、「知る」ことをあまりにも簡単にできる時代になっています。

 これからの子どもたちにはどんな力が必要でしょうか。私は、「知る」や「思い」を実現に向かわす「行動力」だと思っています。学校で知ったこと、ネットで調べたことを実践する力です。

 「わかる」と「できる」は大きく違いがあります。人は知っていようとも、行動ができるかというと簡単ではありません。「人にはやさしくしなさい」と言う学校の先生たちも、常に子どもに優しく接しているか?というと、そうでなかったりします。「比較するとモチベーションが下がる」と分かっていても、比較、競争、評価することでしか、人のモチベーションをコントロールできないと思っていたりします。

 知っていることと、分かっていること、できること、は同じではありません。「知る」ことだけにフォーカスせずに、いかに知っていることを、行動に移し、実践することができるかにフォーカスしていくことが、これから、もっと必要な時代になっていきそうです。

 教科書で学んだ実験を休日やってみることも良いと思いますし、作りたい料理を調べて子どもと一緒に作ってみることも素晴らしいと思います。旅行の計画を一緒に立ててみたり、子どもと何か新しいことを始めるのも面白いかもしれません。

 今も昔も「知る」ということでは何も始まらず、「知る」と「行動」とがセットになり、初めて、本来の学ぶ意味というものが出てきます。子どもたちには「知る」に止まらせることなく、行動に移すことを意識させ、その学びの先にある楽しさ、喜びを体験させてあげたいと思います。


おへそグループ統括園長 吉村直記

「知る」を「行動」に移す力」への1件のフィードバック

  1. 直記、ありがとうございます!
    変なおじさんにも、有効です。
    行動出来る人間で、あり続けたいものです!

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